もっとも人気の高い、キリスト教式の結婚式。
ロマンチックな衣装や祭壇、フラワーシャワーやライスシャワーなどの演出は、女性のあこがれと言えます。
多くがホテル・専門式場で挙式しますが、一般の教会でも式を挙げることができます。
キリスト教式とは
キリスト教式は、本来はキリスト教の信者のための結婚儀式です。
したがって、イエス・キリスト=神に、2人の愛を誓います。
日本のキリスト教信者(クリスチャン)は人口の1%と少数派ではありますが、世界的にみると22億人を超える信者をもつ世界3大宗教の1つです。
キリスト教式の結婚式の人気は高く、60%以上のカップルがキリスト教式で挙式しているというデータもあります。
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(1)カトリックとプロテスタントの違い
キリスト教式の結婚式は、ホテルや専門式場のチャペルで行われるケースが多いのですが、一般の教会(チャーチ)でも挙げることができます。
一般の教会で挙げる場合には、キリスト教の教派の違いや呼称の違いなどをある程度理解し、思わぬ失敗を避けるようにしましょう。
キリスト教には多くの「教派」がありますが、日本ではカトリックとプロテスタントの2つの教派が一般的で、大半がプロテスタントです。
プロテスタントの教会の方が規律が緩やかで、再婚OKですが、カトリックは規律が厳しく再婚は不可です。
進行はプロテスタントなら「牧師」、カトリックなら「神父」が進行してくれます。
なお、カトリックでは「聖壇」、プロテスタントでは「祭壇」と、呼称が違うことにも注意しましょう。
カトリックの教会の場合には、新郎新婦のどちらかが信者であることが原則で、挙式前に結婚講座を受けることになります。また、プロテスタントの教会でも講座が必要なこともあります。申し込みたい教会がある時には、早めに教会に問い合わせてみましょう。
教会は信仰の場所であり、結婚式専門施設ではないということを忘れないようにしてください。
(2)挙式の流れ・ルール
キリスト教式の流れやルールは、教派や教会によって異なります。
ここでは、プロテスタントの教会式の一般的な流れをご紹介します。
①参列者入場
親族や友人などの参列者が入場し、新婦側は左側、新郎側は右側に着席します。
この時、バージンロード側の籍が空席にならないように詰めて着席するようにします。なお、参列者が入場する時には、バージンロードを踏まないように注意します。
②牧師と神父が入場
新郎は立会人と共に入場して、祭壇の前の右側に立ち、入り口側を向いて新婦の入場を待ちます。
③新婦入場
新婦の父(もしくは親族など身近な男性)の腕に新婦が右手をかけ、左側にブーケを持って入場します。バージンロードを進み、父から離れ新郎の隣に立ちます。
新郎は、新婦父から新婦の手を受け取り、新郎新婦が並んで祭壇に進みます。
④開式の辞
牧師が、開会を宣言します。
⑤讃美歌斉唱
新郎新婦が祭壇まで進み、新郎父が席に戻ったタイミングで全員が起立し、讃美歌を斉唱します。
⑥聖書朗読、祈祷(出席者着席)
出席者が着席したら、牧師が結婚にふさわしい聖書の一部を朗読し、神に祈りを捧げます。参列者は静かに拝読します。
⑦誓約式
新郎新婦が、永遠の愛を誓う儀式です。
牧師から新郎新婦にそれぞれ、誓約を問います。それに対して、新郎・新婦の順に「誓います」と答えます。
⑧指輪の交換
婚姻の約束として、牧師から渡された指輪をお互いの指にはめます。
新郎から新婦、新婦から新郎の順でお互いの左手薬指に指輪をはめます。
⑨ヴェールアップ
2人の間には隔てるものがないことを表すために、新郎が新婦の顔にかかっているヴェールをあげて、誓いのキスをします。
⑩結婚宣言
新郎新婦が、2人で並んで参列者の方に向き直ります。
牧師が、2人の手を重ねて祈りを捧げ、結婚を宣言します。
⑪結婚誓約書(結婚証明書)に署名
新郎、新婦、牧師の順で結婚誓約書(もしくは証明書)に署名します。
⑫讃美歌斉唱
全員が起立して讃美歌を斉唱します。
牧師が、神に祝福の祈りを捧げます。
⑬新郎新婦退場・閉式の辞
新郎新婦が腕を組んで、退場します。
牧師は、式が終わったことを宣言します。
(3)キリスト教式の衣装
キリスト教式は、基本的には、新婦は白ドレス、男性は洋装です。
教会で挙式をする場合、大きく胸の開いたドレスは原則としてNGなので、注意してください(ただし、最近は会場によっては問題ないケースが増えてきています)。
キリスト教式の結婚式のドレスは、ヴァージンロードを歩く時や挙式中など、後ろからのゲストの視線を意識して、バックにも特徴のあるドレスをセレクトするのがおすすめです。
レストラン・ゲストハウスで挙式をする時には、その後そのままパーティに移りますから、ディテールに凝ったドレスや、比較的狭いテーブルもスムーズに動けるスレンダータイプのドレスがよいでしょう。
(4)キリスト教式の費用
教会での挙式料は自由ですが、事前に教会に確認した方が安心です。一般的には、教会への「献金」として10万円程度が目安です。牧師、神父にお礼をする場合には、1万円~2万円程度を別に用意します。
(5)キリスト教式のマナー
教会は、本来「祈りの場」です。
当日はもちろん、見学時も礼拝時は避ける、肌の露出は控えるなど、信仰への気遣いと配慮のあるふるまいは忘れないようにしましょう。
なお、結婚式中の撮影が禁止されている教会もあるので、事前に教会の指示を仰ぎ、カメラマンや参列者に伝えておくようにしましょう。
また、前述したとおり、カトリックの教会の場合には、新郎新婦のどちらかが信者であることが必要です。そして、挙式前に結婚講座を受けることが必要なこともあります。
もし、気になる教会があるなら教派を調べて礼拝に足を運び、キリスト教に基づく結婚の在り方を学びましょう。誠意のある態度で、教会に相談することが大切です。
キリスト教式でできる演出
キリスト教式は、会場の収容人数さえ許せば、友人や知人まで招待客のすべてが結婚式に参列することができます。より多くの人に祝福してもらうことができる点も、キリスト教式が人気の理由です。
(1)聖歌隊・ゴスペル
聖歌隊による斉唱や最近人気のゴスペルは、キリスト教式の特徴のひとつです。
式場によっては、新郎新婦が好きな曲を伝えると、聖歌隊がその歌をアレンジして歌ってくれることもあるそう。心に残る挙式となること、間違いなしですね♪
(2)ブライズメイド
新婦の介添人や立会人として、身の回りをサポートする人です。友人や姉妹の中で、未婚の女性が努めます。ちなみに、新郎側は「ベストマン」といいます。
(3)ライスシャワー・フラワーシャワー
新郎新婦が退場する時に、出席者が捧げるライスシャワー・フラワーシャワーは、「ふたりの人生が、実り多いように」という願いが込められています。
花は2人を魔物から守り、米は子孫繁栄を願う意味があります。
(4)フラワーガール・リングボーイ
フラワーガールは、バージンロードに花びらをまいて入場する新婦を先導する女の子のことです。そして、指輪の交換時に指輪を運ぶ男の子がリングボーイです。
(5)ユニティキャンドル
祭壇に3つのキャンドルを立て、両側のキャンドルに両家の親が火を灯し、新郎新婦がもらい火をして、中央のキャンドルに点火します。
キャンドルの火を通して、2つの家族がひとつになることを表します。
キリスト教式はどこで挙げる?
キリスト教式の結婚式は、ホテルや専門式場のチャペルや、街の教会で行うことができます。
カトリックの教会の場合には、新郎新婦のどちらかが信者でなければならないなどのルールがあります。一方、ホテルや専門式場のチャペルは挙式専用の建物として造られた場で、誰でも利用することができます。
(1)教会(チャーチ)
教会(チャーチ)は、宗教と密接な関わりがある信仰の場です。
カトリックの教会の場合には、新婦のどちらかが信者である必要がありますし、事前に結婚講座などを受けて、キリスト教に基づく結婚のあり方を学ぶ必要があります。
また、教会はあくまで「信仰の場」であり結婚式専門の施設ではないことから、設備やサービス面でチャペルのように充実しているわけではない点に注意が必要です。
(2)ホテル・専門式場のチャペル
チャペルは、結婚式の挙式専用の建物として造られたもので、クラシカルな雰囲気は教会そのもので、ステンドグラスが美しいチャペルや海岸沿いで景色のいいチャペル、独立型のチャペルなど、いろいろな種類があります。
チャペルは、信者のための信仰の場である教会(チャーチ)と違い、誰でも利用することができるため、最近は、チャーチよりチャペルで式を挙げるケースが増えています。
なかでも、披露宴会場内にあるチャペルは、ゲストもそのまま披露宴会場に移動することができるため、利用するカップルが圧倒的に多いといえます。
(3)レストラン・ゲストハウス
レストラン・ゲストハウスでの挙式は、プライベートな空間での挙式を実現することができるため、格式張らずに自由な演出をしたり、こだわりのあるもてなしをすることができるので、最近人気が高まっています。
レストランは、挙式用の設備が不十分なこともありますが、施設によっては、チャペルを併設していることもあります。
(4)船上・水族館など
船の上やテーマパーク、水族館など、式場ではない場所を選ぶカップルも増えています。非日常的な雰囲気のなかで、個性的で印象深い儀式を実現できます。
ただし、別途牧師の出張依頼が必要になりますし、会場のスタッフとの打ち合わせが必要になることから、経験豊富なウエディングプランナーのサポートが欠かせないと言えるでしょう。
まとめ
以上、キリスト教式の意味や挙式の流れ、費用や演出、マナーなどについてご紹介しました。キリスト教式の結婚式は、専門式場のチャペル、教会、レストラン・ゲストハウスなど、さまざまな場で挙げることができますし、多くの人に祝福される喜びのウエディングです。
挙式のイメージに合わせて、会場や衣装などを選び、2人の最高の思い出をつくってください♪