神前式とは|挙式の流れ・式のルール・挙式費用など

神前式とは、神道の儀式に基づいて挙げる婚礼の儀式です。神社のほか、ホテルや結婚式で挙げることもできます。
最近は和婚の人気が高まっていることから、神前式を挙げるカップルが増えています。

神前式とは

神前式とは、神道の教えに基づいた婚礼の儀です。
神前式は白無垢や綿帽子など日本古来の花嫁衣装を身に着け、厳かな雰囲気の中で進行します。この厳かな雰囲気の中で行われる神前式は、最近の和婚ブームもあり人気が高まっています。

(1)大正天皇の挙式が始まり

神前式は、何百年も前の古の時代から行われているイメージが強いと思います。
確かに神前結婚式の形が整えられたのは、室町時代からと言われていますが、現在のように神社などで行われる形式ではなく、各家庭の座敷で行われていました。

現在のように形式化したのはそれほど古くなく、明治33年(1900年)の大正天皇(ご結婚当時は皇太子様)のご成婚スタイルが基となって、一般化しました。
明治天皇は、大正天皇(当時の皇太子様)のご結婚の儀式を皇居内の賢所(天照大神をお祀りする御殿)で行われ、このご成婚が民間において「神前式」として普及しました。

(2)神前式の流れ・ルール

神前式は、「三献(さんこん)の儀」(三々九度の杯)や「誓詞奏上(せいしそうじょう」」「玉串奉奠(たまぐしほうてん)」などの儀式がとりおこなわれます。
神社によっては、雅楽の生演奏や巫女による舞を披露してくれたりすることもあります。

①入場
巫女に先導され、新郎新婦、仲人(媒酌人)夫妻、両家の両親・親族の順に入場します

②神主(斎主)が挨拶
式を司る神主(斎主)が入場して、式がスタートします。
神主(斎主)ととおもに、一同が神前に向かって一礼します。

③修祓(しゅばつ)の儀
神主(斎主)が、祓言葉(はらいことば)を唱えて、大麻(おおぬさ)を振って、穢れ(けがれ)を取り除きます。入場した一同は、頭を下げてお祓いを受けます。

④祝詞奏上(のりとそうじょう)
神主(斎主)が、神様に結婚の報告をして、新郎新婦のご加護と幸せをお願いします。
一同頭を下げたまま、読み上げられる祝詞を拝聴します。

⑤三献(さんこん)の儀(三々九度の杯)
小、中、大の順で3つの杯にお神酒(みき、しんしゅ)を注ぎ、飲みかわします。杯は、「瓶子(へいし)」と呼ばれる白色の容器です。

⑥誓詞奏上(せいしそうじょう)
新郎新婦が神前に進んで、紙に書かれた誓いの言葉を読み上げます。
夫婦でどちらが誓いの言葉を読むかについては、これといった決まりがあるわけではありませんが、ほとんどの夫婦は新郎が読み上げます。

⑦玉串奉奠(たまぐしほうてん)
神様と先祖からの恵みに感謝して、これからの幸せな家庭生活への願いを玉串に託して、お供えします。新郎新婦が玉串をお供えしたら、仲人(媒酌人)、親族代表の順に玉串をお供えします。

⑧指輪の交換
新郎、新婦が結婚指輪を交換します。

⑨親族杯の儀
両家の縁を結ぶために、杯を交換します。
両親や親族全員が、お神酒を三口で飲み干します。

⑩退場
神主(斎主)が挙式の修了を述べて、一同が神前に一礼します。
神主(斎主)の後に続いて、新郎新婦、仲人(媒酌人)夫妻、両家の両親・親族の順に退場します。

(3)神前式の衣装

神前式の衣装は、女性は白無垢、男性は黒紋付と羽織袴の和装が一般的です。
神社でもウェディングドレスで挙式出来るところもありますが、露出の多いデザインのドレスは控える方がよいでしょう。

(4)神前式の費用

神前式の費用は、5万円~15万円程度。
地域や神社、儀式の内容によって費用は異なりますので、早めに問い合わせてみましょう。

(5)親族だけでなく友人も参列できる

神前式というと、親族だけが参列する式というイメージを持つ人もいますが、最近は収容人数さえ許せば友人知人も参列できます。
古き良き日本の伝統的な神前式は、参列してもらうゲストにとっても、一生の思い出になることでしょう。

神前式Q&A

神前式は、式次第に作法があるので、場所を下見して決定した後は、担当者に疑問点や不明点を聞いてみて、説明を受けて理解してから挙式に挑む方が、当日緊張しないで済むでしょう。
その他、細かい要望は遠慮せずにどんどん相談してみましょう。

(1)お酒が飲めなくても大丈夫?

神前式では、お神酒を飲みかわすことから、「お酒を飲めない」という人は、不安に感じる人もいるでしょう。その場合には、事前にスタッフにつK耐えておけば、お酒の代わりにお水を用意してくれたり、飲む真似だけにしてくれたりと、配慮してもらえるはずです。

(2)神前式はどこで挙げる?

神前式を挙げられる神社は、増えています。
幼い頃から慣れ親しんだ、地元の神社でなつかしい地元の人に見守ってもらいながら、アットホームな神前式を実現するカップルもいます。

ホテルや専門式場などでは、館内に神殿を設けているケースも多く、そこで挙式を執り行えることもあります。また、会場の近くの神社で挙式できるプランを用意している会場も。神社自体が披露宴会場を有するところがあり、1か所で挙式・披露宴ができるので、ゲストへの負担を減らすこともできます。

まとめ

以上、和婚ブームや晩婚化で人気が高まる神前式について、ご紹介しました。
格式や伝統を重んじる神前式は、高い支持があり、日本の伝統を感じさせる厳かな雰囲気の結婚式を実現することができます。

各神社の伝説・ご利益・パワースポットもチェックして、デートがてら下見に行くのも楽しいですね。

なお、神社は季節によっては祭祀などで忙しく挙式に対応できない期間があります。
事前に日取りを伝えて、行事に重ならないよう相談しておくようにしましょう。

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